概要
ClickHouse は AWS リテールコンピテンシー認定を取得し、小売業界向けリアルタイム分析における高度な専門知識が認められた AWS パートナーの仲間入りを果たしました。
ClickHouse が Advanced Data Insights カテゴリにおいて AWS リテールコンピテンシー を取得したことをお知らせします。
この認定は、検証済みの技術的専門知識と実証されたカスタマーサクセスを持ち、小売事業者がデータサイロを統合してリアルタイムの運用データを意思決定へと変換する支援を行っている AWS パートナーを評価するものです。
この取得は、AWS が私たちの本番アーキテクチャ、セキュリティおよび運用プラクティス、ユーザーの成果を審査した結果であり、AWS 上で稼働する最大規模の小売事業者、マーケットプレイス、コマースプラットフォームと共に行ってきた取り組みを反映しています。
小売データ特有の要求への対応
1 時間前には正確だった在庫状況が昼休みには狂い、価格やプロモーションは変動する需要に追随しなければならず、数千の店舗と数百万の SKU にまたがるサプライチェーンは夜間バッチでは吸収しきれないほどのスピードで変化を生み出します。さらにパーソナライゼーションやリテールメディアでは、買い物客が 30 秒前に行った行動こそが重要なシグナルとなるため、許容されるタイムウィンドウはより一層狭まります。ブラックフライデーや年末のピーク時には、ダッシュボードの遅延が最大の損失をもたらすまさにその瞬間にトラフィックが何倍にも跳ね上がり、こうした状況に拍車をかけます。
この基盤となるワークロードは、データの鮮度が必須要件となる、大容量・高カーディナリティ・高同時実行のワークロードであり、これこそがまさに ClickHouse が想定して構築された用途です。高度な圧縮を備えた列指向ストレージによってすべてのイベント履歴を手頃なコストで保持でき、並列クエリエンジンが数千の同時実行ユーザーの下でも 1 秒未満で応答を返し、ClickPipes が Kafka や Amazon S3 からデータを継続的にストリーミングし、コンピュートとコンピュートの分離 によって取り込み処理がマーチャンダイザー、運用担当者、顧客が利用するクエリの遅延を引き起こすのを防ぎます。AWS 上では、これらすべてがプライベートネットワーキング、マルチリージョンデプロイ、AWS Marketplace 請求に対応した状態で稼働します。
マーケットプレイスからフルフィルメントセンターに至るまでの導入事例
ラテンアメリカ最大の e コマースおよびフィンテック企業である Mercado Libre は、毎秒 1,500 万件を超えるリクエストを処理する 35,000 以上のマイクロサービスを運用しています。同社の ClickHouse Cloud 上のオブザーバビリティイベントプラットフォームは、決済や物流といった極めて重要なビジネスフローのトレースを 100% 収集しており、毎日約 90 TB の新規データを取り込んでいます。また、かつては 15 〜 20 分かかっていたトレースの検索が、現在では約 2 秒で完了するようになりました。
「顧客一人ひとりに向けた、100 万の小さなスーパーマーケット」を掲げるオンラインスーパーの Picnic は、ClickHouse Cloud 上のリアルタイムインサイトプラットフォームを通じて、高度に自動化された 20 か所以上のフルフィルメントセンターにおいて、注文、在庫、人員配置のシフトごとの可視化を実現しています。アナリストや現場チームは各自でダッシュボードを構築しており、本番環境で稼働する数千の Grafana ビューとすべてのデータモデルは dbt でコードとして管理されています。「ClickHouse は運用が非常に容易で、コスト効率も極めて高く、ClickHouse Cloud によるスケーリングも極めてシンプルです。非常に満足しています」と、Picnic のソフトウェアエンジニアである Max Sumrall 氏は述べています。
AWS 上の大手小売プラットフォームの中にも、水面下で ClickHouse を稼働させている企業があります。ある大手ライブショッピングマーケットプレイスでは、ClickPipes を介して Kafka からペタバイト規模のイベントストリームを取り込み、ピーク時には毎時 50 万件以上のクエリを処理しています。コンピュートとコンピュートの分離により、ブラックフライデー期間中もオペレーター向けダッシュボードの高速性を維持しました。また、世界最大手のファッション小売企業の 1 社は、運用の分析用にアイルランド、財務報告用にフランクフルトという EU の 2 つのリージョンで ClickHouse Cloud を運用しており、データレジデンシー要件を満たしながら、自社ブランドポートフォリオ全体における継続的な取り込みと高同時実行の BI を分離しています。
小売向けインテリジェンスプロバイダーも、自社製品の基盤として ClickHouse を採用しています。住宅リフォーム業界向けに市場インテリジェンスを提供する Datavations は、ClickHouse Cloud 上でパイプラインを再構築しました。「クラウド費用が 15 分の 1 に削減され、処理速度は 18 倍に向上し、アナリストの業務効率も 5 倍になりました」と、共同創業者兼エンジニアリング責任者の Jacob Lucas 氏は述べています。Rapid Delivery Analytics は、PepsiCo や Unilever といった日用品ブランド向けに、100 か国以上、40 を超えるクイックコマースアプリにわたってデジタルシェルフのパフォーマンスを追跡しており、AWS 上の ClickHouse Cloud で 1 日あたり 500 GB 以上の生データを取り込んでいます。「ClickHouse Cloud は当社のソリューションの中核です。はるかに規模が大きく知名度の高い大企業に期待されるような機能とインフラを提供してくれる一方で、私たちは組織をスリムに保つことができています」と、共同創業者兼 CEO の Andrey Dyatlov 氏は述べています。
e コマースチームは、実測された価値に基づいて ClickHouse を選択しています。Adevinta は、出品者向け分析ダッシュボードの構築にあたりマネージドクラウドデータベースのベンチマークを実施したところ、検証したワークロードにおいて代替製品のコストが 2 倍から 6 倍高いことが判明したため、自社のマーケットプレイス全体で ClickHouse Cloud を採用しました。Minted は、e コマース体験の高速性を維持するために、ClickHouse Cloud 上で数百万件におよぶリアルタイムの Web パフォーマンスデータポイントを監視しています。Artly は、ロボットバリスタフリートのテレメトリ基盤を ClickHouse 上で稼働させており、ロボットごとに数百のメトリクスを活用して飲料の品質維持や運用に役立てています。また、AMP は、マーチャント向けレポートを支えるため、Amazon EventBridge と Kinesis Data Firehose を介して数千の Shopify ストアからのイベントを ClickHouse Cloud にストリーミングしています。詳細は、当社の 小売および e コマースの導入事例 をご覧ください。
今後の展望
小売業界はエージェント型の時代へと移行しつつあり、需要予測、ダイナミックプライシング、AI ショッピングアシスタントの精度は、それらを支えるデータの鮮度に大きく左右されます。私たちはこの領域への投資を継続しており、ClickPipes や Postgres CDC による取り込みから、AI エージェントが小売データに直接クエリを実行できるようにする ClickHouse MCP サーバー に至るまで、取り組みを進めています。AWS 上で小売向け分析基盤を構築しており、バッチレポートからリアルタイムな意思決定への移行をお考えでしたら、ぜひご相談ください。
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